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遺留分の基本

 民法が法定相続人法定相続分を定めていたとしていても、亡くなった人の意思を第一に尊重すべきです。そのため、遺言によって、相続人以外の人や法人に財産をあげることができるようになっています。つまり、遺言書で書かれた内容は、民法の取り決めよりも優先されるのです。
 しかし、「自分が死んだら、愛人に全財産をあげる」という遺言書を作られてしまうと、残された家族は気の毒になります。相続人のこれまでの財産形成上の寄与の度合いや、今後の生活保障などを考慮すべきです。そのため、民法では最低限相続できる財産を「遺留分」として保障しているのです(民法902@964)。
 

遺留分の基本

 つまり遺留分とは、民法で定められている一定の相続人が最低限相続できる財産のことをいいます。遺留分が保障されている権利者は、被相続人の配偶者、子供、父母(直系尊属)です。ただし、子供がいる場合は、父母に遺留分はありません。なお、代襲相続の場合は、代襲相続人にも遺留分は認められています(民法1044887AB901)。また、法定相続人の第3順位である兄弟には、遺留分は保障されていません。
 遺留分の割合は、法定相続人が親などの直系尊属だけの場合は、「遺留分算定の基礎となる財産」の3分の1となり、それ以外(法定相続人が配偶者のみ・子供のみ・配偶者と子供・配偶者と親)の場合は、財産の2分の1になります(民法1028)。なお、1人ひとりの遺留分は、全体の遺留分に各自の法定相続分の率を乗じて算出します(民法1044900)。
 侵害された遺留分を確保するためには、生前贈与、遺贈により財産をもらった人に、遺留分権利者は「遺留分減殺請求」をする必要があります(民法1031)。さらに「遺留分減殺請求」の権利は、相続開始や、自分の遺留分が侵害され減殺できることを知った日から1年、あるいはそれを知らなくても相続開始の日から10年を過ぎると、時効で消滅するので注意をしてください(民法1042)。
  
相続人  全員の遺留分  相続人の遺留分
配偶者 子供 父母 兄弟
配偶者のみ 1/2 1/2 × × ×
配偶者と子供 1/2 1/4 1/4 × ×
配偶者と父母 1/2 2/6 × 1/6 ×
配偶者と兄弟 1/2 1/2 × × ×
子供のみ 1/2 × 1/2 × ×
父母のみ 1/3 × × 1/3 ×
兄弟のみ × × × × ×