相続税の計算と金額
相続税の計算は、大きく分けると(1)各人の課税価格の計算、(2)課税遺産額の計算、(3)相続税額の計算、(4)納付税額の計算の4段階になります。
(1)各人の課税価格の計算
相続や遺贈及び相続時精算課税の適用を受ける贈与によって財産をもらった人ごとに、課税価格を次のように計算します。
「課税価格」=「本来の相続財産」+「みなし相続財産」 +「相続開始前3年以内の贈与財産」+「相続時精算課税による贈与財産」−「非課税財産」−「債務」です。
なお、以上のように、相続税の課税価格は、各相続人や受遺者ごとに計算します。したがって、相続が単独相続であれば簡単なのですが、相続人が2人以上いる場合には、共同相続人のうち、誰がどの財産を相続するかということがはっきりしていないと課税価格が計算できないこととなります。
そこで、相続税の申告書の提出期限までに、遺産の全部又は一部が共同相続人又は包括受遺者によって分割されていない場合には、その分割されていない財産は、民法の規定による相続分又は包括遺贈の割合に従って、その財産を取得したものとして課税価格を計算することになっています(
相法55、
相基通11の2−2)。
民法の規定による相続分とは、
民法第900条から
第903条までに規定する相続分のことであり、具体的には、「
法定相続分」、「
代襲相続人の相続分」、「遺言による相続分の指定(
民法902)」、「
特別受益者の相続分」のことです(
相基通55−1)。
(2)課税遺産額の計算
上記(1)で計算した各人の課税価格を合計して、「課税価格の合計額」を計算します。
つまり、各相続人等の課税価格の合計=課税価格の合計額となります。
この「課税価格の合計額」から基礎控除額を引いた金額が「課税遺産総額」となります。
よって、「課税遺産総額」=「課税価格の合計額」−基礎控除額(5000万円+(1000万円×法定相続人の数)) となります。
(3)相続税総額の計算
法定相続人が、いったん民法に定める法定相続分にしたがって、(2)で求めた「課税遺産総額」を取得したと仮定して、各法定相続人の「取得金額」を計算します。
つまり、「取得金額」=「課税遺産総額」×法定相続分となります。次に、その「取得金額」に「相続税の速算表」を使用して、「各法定相続人ごとの仮定の相続税額」を算出します。その算出された「各法定相続人ごとの仮定の相続税額」を足して、「相続税の総額」を求めます(
相法16)。
「相続税の速算表」
| 取得金額 |
税率 |
控除額 |
| 1000万円以下 |
10% |
− |
1000万円超〜 3000万円以下 |
15% |
50万円 |
3000万円超〜 5000万円以下 |
20% |
200万円 |
5000万円超〜 1億円以下 |
30% |
700万円 |
1億円超〜 3億円以下 |
40% |
1700万円 |
| 3億円超〜 |
50% |
4700万円 |
「各相続人ごとの仮定の相続税額」=
「各相続人の取得金額」×税率−控除額
(4)納付税額の計算
(3)で求めた「相続税の総額」を、実際に財産をもらった相続人等(各相続人や受遺者)の課税価格に応じて割り振って、財産をもらった人ごとの税額を計算します(
相法17)。つまり、「各相続人又は受遣者の相続税額」=「相続税の総額」×「各相続人又は受遺者の課税価格÷課税価格の合計額」となります。なお、税額控除・加算がある場合は、調整して「納付税額」を求めます。