配偶者控除
配偶者控除(配偶者に対する税額軽減)という制度があります(
相法19の2)。配偶者は相続を受けても税金がかからないと、よくいわれます。本当の意味では、これは正しくはありません。しかし、課税されることが少ないのは事実です。配偶者控除という税金が安くなる制度があるからです。
夫婦は一緒に助け合って生活をしていて、お互いに被相続人が財産を作るために大きな役割を果たしています。また配偶者の老後を保障する必要もあります。さらに、配偶者同士は同世代であることが多いため、短期間のうちに相続が2回発生し、短期間にもう一度同じ財産に相続税がかかってしまいます。このような事情から配偶者控除があるのです。
この配偶者控除は、婚姻の届出さえしていれば婚姻期間に関係なく適用されます。たとえ、1日であっても正式な婚姻関係にあれば控除を受けることができます。しかし、仮装隠ぺいされていた財産は特例の対象となりませんので注意をしてください(相法19の2D、E)。
適用を受けるための手続
納付すべき税額の有無に関係なく相続税の申告書を提出することが必要です(相法19の2B)。つまり、配偶者の税額軽減を受けることによって納付すべき相続税額がゼロとなる人であっても、相続税の申告書の提出が必要だということです。なお、配偶者控除の規定は、原則として申告期限までに遺産分割などにより配偶者が実際に取得したものに限って適用されます。そのため、未分割の財産については、適用できません。
ただし、申告期限までに遺産分割が行われなかった場合であっても、@申告期限後3年以内に遺産分割が行われた場合、A申告期限後3年以内に遺産分割ができないことについて特別の事情(遺産分割につき訴訟になっている等)がある場合において、税務署長の承認を受け、一定の期間内に遺産分割が行われたときはその適用が受けられます(相法19の2A)。
配偶者控除の計算
被相続人の配偶者は、相続等により取得した財産の価額が、法定相続分以内であれば税金がかかりません。また、たとえ法定相続分を超えて相続しても、1億6,000万円までは税金がかかりません(相法19の2@)。
配偶者控除額について式にすると、次のようになります。